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原田 秀郎; 高山 直毅; 米田 政夫
Journal of Physics Communications (Internet), 4(8), p.085004_1 - 085004_17, 2020/08
原子炉を用いた放射化分析などで重要な中性子共鳴積分値を高精度化するため、熱外中性子スペクトルの新しい近似を定式化した。近似式の導出に当たっては、はじめにモンテカルロ計算コードMVP-3を用いて参照解となる中性子スペクトルを計算し、これから 型の関数型を導出した。従来の近似式に比較し、導出した関数型は、中性子共鳴積分値を高精度に決定できることを示した。この検討は、過去にJRR-3で行われたCsの中性子共鳴積分値の測定データに基づき行われた。また、提唱した近似式に導入したパラメータ及びを実験的に決定するため、3種類のフラックスモニター(Au, Co及びZr)を用いる手法を提唱するとともに、解析手法を定式化した。
藤本 望; 山下 清信
JAERI-Research 99-059, p.43 - 0, 1999/11
これまで、HTTRの炉心解析モデルについて、VHTRCの実験結果を用いて検証が行われてきた。またモンテカルロコードとの比較に基づき、ゼブラ型反応度調整材の形状及び位置の効果、中性子ストリーミング効果を考慮できるようモデルの改良が進められてきた。さらにこの改良モデルを用いて臨界試験の予備解析が行われてきた。しかしながら臨界試験の結果から、予備解析に用いたモデルでも過剰反応度を過大に評価することが明らかとなった。検討の結果、燃料セルの外径が過大で実際より減速材の黒鉛が多いため柔らかい中性子スペクトルとなり、Uの核分裂断面積を大きく評価していることが原因であると考えられた。そこで、燃料セルの外径をこれまでより小さい、燃料棒のピッチによる値とすることにより、臨界試験結果とよく一致する結果を得ることができた。
T.V.Hung*; 坂本 幸夫; 安田 秀志
JAERI-Research 98-057, 25 Pages, 1998/10
Dalat炉の中性子束特性であるエネルギースペクトル、中性子束絶対値及び照射孔に沿った分布をMCNP4Aコードで計算した。すべての計算はパーソナルコンピュータで実施した。各ケースの計算時間は約2日であった。計算体系は500Wで運転される炉心を正確にモデル化した。中性子束及びスペクトルフィッティング因子は5%以内で実験値と一致した。計算で得たエネルギースペクトルを用いてカドミウム比及びAuの実効断面積を計算した。この計算ではJENDL及びIRDF82の核データを用いた。計算結果の比較から、(1)カドミウム比は計算値/実験値で表した不一致がIRDF82の場合に1~6%、JENDLの場合に4~8%であり、(2)Au(n,)Au実効断面積はJENDLまたはIRDF82を用いても殆ど同一の値を与えた。
井原 均; 片倉 純一; 中川 庸雄
JAERI-Data/Code 95-014, 216 Pages, 1995/11
原子炉内の核燃料の燃焼に伴い生成・消滅する放射性核種の生成・崩壊量及び核分裂生成物の崩壊熱や放射能を計算すると共に、放出線のスペクトルを計算するコードFPGS90を作成した。このコードは、上記の計算の他に評価済核データファイル(ENDF/B、JENDL、ENSDF等)を処理して新しいライブラリーを作成する機能も持っている。また、計算結果の図形処理の機能も有している。このため、核データライブラリーの編集・作成から核種の生成・崩壊量の計算及び図形表示まで一貫して行うことが出来る。なお、核分裂生成物の核データライブラリーはシグマ委員会で崩壊熱評価のために作成したJNDCライブラリー第二版に対応している。
田坂 完二*; 片倉 純一; 吉田 正*; 加藤 敏郎*; 中嶋 龍三*
JAERI-M 91-034, 97 Pages, 1991/03
核分裂生成物による崩壊熱の推奨値を五つの核分裂系(U-235,-238,Pu-239,-240およびPu-241)に対して与えてある。これらの推奨値は1990年に公開となったJNDCによる核分裂生成物の核データライブラリー第二版を用いた総和計算に基づいたものである。推奨値は二種類の方法で現わされている。一つは表形式であり、もう一つは33項の指数関数表示である。本報告書には、また、FPによる崩壊熱への中性子吸収効果の補正因子、ガンマ線エネルギースペクトルも与えられている。本報告書の内容は核データ委員会の崩壊熱評価ワーキンググループおよび原子力学会の「原子炉崩壊熱基準」研究専門委員会の成果に基づいている。
伊勢 武治; 丸尾 毅; 一色 正彦; 熊井 敏夫; 宮坂 靖彦; 鈴木 正年; 福本 享*; 成田 秀雄*
JAERI-M 86-028, 107 Pages, 1986/03
JRR-3改造炉に設置予定の中性子導管の物理設計及び遮蔽設計のために行われた解析につてまとめた。すなわち、冷中性子導管及び熱中性子導管の出口でのエネルギ-分布及び空間分布を求めた。また導管を囲む遮蔽コンクリ-トの遮蔽効果も評価した。解析計算では、液体水素散乱カ-ネルはYoung-Koppelモデルを、冷中性子源スペクトル及び導管遮蔽にはANISNコ-ドを、導管中の中性子輸送にはMORSEコ-ドを用いた。
片倉 純一; 原 俊治*; 内藤 俶孝
JAERI-M 83-016, 45 Pages, 1983/02
評価済核構造データファイル(ENSDF)を用いて、放射性核種の生成量、崩壊熱、ガンマ線スペクトル計算用の崩壊データライブラリーを作成した。崩壊熱、ガンマ線スペクトルの計算を通してENSDFにおけるデータの適応性を検討した。冷却時間の短い所では、崩壊熱、ガンマ線スペクトルとも実験値より低目に算出された。冷却時間の長い所では両者とも満足すべき結果を得た。これらの原因についても考察を行った。
関 泰; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 田中 俊一; 前川 洋; 中村 知夫; 川崎 弘光*
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(8), p.686 - 697, 1983/00
被引用回数:5 パーセンタイル:56.84(Nuclear Science & Technology)核融合炉物理用中性子源(FNS)の水冷式トリチウムターゲットの線源特性を3次元モンテカルロ法を用いて計算した。源中性子の角度分布とエネルギースペクトルを計算して測定結果と較べた。その結果、実験と計算の間に良い一致が見られ、両者に対する信頼性が向上した。中性子によって生成されたガンマ線束に関しては大きな不一致が見られさらに検討を要する。計算から得られた中性子スペクトルは、測定器の分解能に対する補正を必要としないので、今後の水冷ターゲットを用いた実験解析に利用される。
朝岡 卓見
原子力工業, 21(6), p.70 - 74, 1975/06
原子炉理論基礎講座の最終回として、原子炉炉心設計の仕様とか、燃料の経済性についてのデータを与える核計算コードの現状について解説した。まず核断面積計算用として熱中性子散乱核の代表的計算コードを述べ、次いで核断面積より中性子スペクトル計算を通して、熱中性子、あるいは高速中性子郡定数を与えるコードについて説明した。この郡定数を用いて原子炉の静力学的核特性、すなわち運転開始時の核特性が計算され、次いで運転に伴う特性の変動も求められる。又原子炉の安定性、制御性の解析のための動特性計算コードについても概略を述べた。
笹本 宣雄; 根本 隆*
Nucl.Eng.Des., 32(2), p.252 - 276, 1975/02
被引用回数:6FPの全崩壊ガンマ線エネルギー放出率、群分けしたエネルギー放出率を、照射時間、冷却時間をパラメータとして計算した。U熱中性子核分裂に対するデータに関して他の計算値および実験地との比較を行い良好な一致を得た。また核分裂の種類によるエネルギー放出率の違いを考察した。求められたデータから内・外挿法により、任意の照射時間、冷却時間、核分裂の種類に対するFP崩壊ガンマ線エネルギー放出率を得ることができる。